第9回目の料理実習は、「パーティ料理」です。
メニュー:
- 一口大の串刺しミックス
(生ハムメロン/トマトピューレのモッツアレラ添え/ブドウとトスカーナサラミ) - 一口大のカプリーノチーズとピスタチオ
- 角切りマグロと玉ねぎのスイートソース
- 小ダコの煮込みとバゲット
- クラシックなスキアッチャータ
- ポルチーニ茸のリゾット
- アーモンドパンのりんごムース添え
本日はビュッフェスタイルのメニューなので、小分けにされた料理がならび、見た目にも楽しく色鮮やかです。まずは色とりどりの、一口サイズ串挿しから作っていきます。串はひとつひとつ、小さな透明のカップへ入れていきます。トマトピューレもカップへ流し入れ、小さく切ったモッツアレラチーズを入れていき、ブドウはトスカーナサラミをサンドしていきます。オレンジと白、黄緑と赤がよいコントラストです。
飾りに使われたのは、花のように織り込まれたカルチョーフィと、鳥の羽のような細工でカットされたりんごです。りんごは生徒さんがカットを担当しましたが、とても綺麗です!同じように小さく丸めたカプリーノチーズは、山羊のクリームチーズです。赤ワインで作ったバイオレットのソースが、ピスタチオの緑と対比していて見た目が鮮やかですね。
角切りマグロは、外はカリッと揚げ焼きにしますが、中はまだ赤みが残るくらいの半生状態にするのがベストです。身の大きさや湿度、火加減などでも具合が変わってしまうので、さじ加減を把握するには経験を積んでいくことが大切です。ソースは赤玉ねぎを煮詰めて作ったもので、盛りつけの際の彩りに一役買います。このメニューはアンティパストとしてもセコンドとしても出すことができるので、盛りつけによって、温製でも冷製でも提供できます。一人一人シェフの好みに合わせられるように、フランチェスコ先生はいつも、何通りかのバリエーションを出して説明してくれます。小ダコの煮込みはじっくりじっくりと煮込むだけですが、今回一番人気があり、実食の際テーブルから一番になくなっていました。
スキアッチャータは、全粒粉を使ったので、こげ茶の強い色合いになりました。普通の小麦粉と比べ、精製する際に一緒に取り除かれてしまう食物繊維やミネラルがそのまま入っていて栄養素が取れる上に、その独特の風味がたまらないという人も多いです。途中で15分、7分と2回発酵させますが、スキアッチャータの盛り方も一工夫。今回は鉄板一枚に大きく伸ばして作ったので、飾り用として一つ大きくカットし、高さを出して豪華に見せるなどの工夫がされていました。
今回予定していたメニューにはなかったですが、生徒さんの連携もすばらしく、時間に余裕を持った調理ができたので、特別にドルチェ用に、アーモンドパンと呼ばれるスポンジケーキのようなお菓子を作りました。普通のスポンジケーキを作る過程で、粉を加える際にアーモンド粉と小麦粉を半々ほどに入れます。ふわふわの生地にりんごのムースを添えて、アーモンド粉の風味豊かな、とても優しいドルチェができました。先生が子供に良く作ってあげるレシピのようです。
すべてを並べる前に、盛りつけテーブルのセッティングをします。ビュッフェスタイルでは、テーブルクロスの選び方、色や素材、重ね方、中央のデコレーションなどは個人個人のセンスによりけりですが、台に高低差をつけたり、テーブルクロスでわざとギャザーを寄せたりと動きを持たせるのが一般的です。これは見た目の美しさだけでなく、大勢のゲストがそれぞれ好きなものを取る際に、お互いを邪魔せず自由に動き回れるよう考慮されたシステムです。
ビュッフェの歴史についても勉強します。ビュッフェはもともとフランス料理に由来しますが、最初にこのサービス形態をとりいれていたのはギリシャとも言われていて、いまや世界各地で様々な様式で使用されています。もともとは貴族の間のみで行われる、パーティ用のもてなし料理でしたが、今日では一般的に親しまれ、レストラン、ホテル、レセプション、社交イベントで幅広く提供されるものとなりました。
イタリア料理留学、イタリア料理修行、イタリア長期留学、イタリア短期留学はフィレンツェ料理学園へ