第7回目の料理実習は、「地中海料理2」です。
メニュー:
- 片口イワシのペコリーノチーズ入りアンモリカーテ 野生フェンネルのペースト添え
- からすみとアサリとバシルのシャラテッリ
- 2品のイカ料理 焼きイカとイカのアーティチョーク詰め
- アーモンド粉のタルト フルーツ添え
今日も最初に料理に使う材料の説明をフランチェスコ先生がしてくれます。今日の特別な食材はからすみと魚介類、そして小麦粉です。内地にあるフィレンツェでは普段から海の幸を食べる機会があまりありません。特に新鮮なものはほとんど手に入らず、一般の人達は冷凍食品の魚類を使います。しかし今日はフランチェスコ先生が市場で仕入れてきてくれた新鮮なイカとアサリを使います。運が良い事に今日は粒が大きく上等なアサリが手に入ったとフランチェスコ先生も喜んでいました。アサリはすぐに水に戻し塩抜きをします。イカはフランチェスコ先生が下処理の仕方とさばき方を説明してくれます。イワシは素手で頭を取り、腹を割って骨を抜いていきます。そしてからすみは袋から出し空気に触れさせ乾燥させます。
「片口イワシのペコリーノチーズ入りアンモリカーテ 野生フェンネルのペースト添え」ですが、日本では馴染みのない一品で、プリンを焼くような丸い筒状の焼き型に下処理をしたイワシを敷き詰め、その上に角切りにしたパンとペコリーノチーズ、フェンネルなどを押し詰めオーブンで焼きます。そしてそれにフェンネルの葉や松の実、オリーブオイルなどをペーストしたソースを掛けていただきます。先ほどから名前が上がっている「フェンネル」ですが、和名で「ういきょう」と言います。ヨーロッパでは胃薬やダイエットのためのハーブティーとして古代ローマ時代から栽培されていた記録があるそうです。日本にも平安時代の頃に中国からもたらされ、薬や漢方として使われていました。株の部分は生でも食べる事ができるのでイタリアではサラダに入れたり、バーニャカウダとしても食べられます。今回は湯がいて使用しました。そして葉と茎の部分はソースに使いました。料理名に「野生フェンネル」と書いてありますが、これが重要で、野生でないとさわやかな強い香りが出ないそうです。味ですが、口に入れた瞬間ペコリーノチーズの味とイワシの香ばしさが口の中に広がったあと、最後にフェンネルの甘くさわやかな風味が口の中をスッキリさせてくれます。またイワシのサクサクとした食感もたまりません。
そして本日の特別な食材として名前を上げた小麦粉ですが、タルト用に通常のものとは違うとても品質の良い高価なものをフランチェスコ先生が用意をしてくれました。この小麦粉は品種もさることながら、大理石で麦を引いているそうです。色は白ではなくクリーム色をしています。この小麦粉とアーモンド粉、砂糖、バターなどを混ぜ合わせます。今回卵は使いません。卵を使う事で材料同士をうまくまとめたり、焼く時間を短縮したりできるメリットがあります。しかし入れない事によって、タルトのお腹にたまる重さを無くし軽いクッキーのような食感にする事ができます。今回卵を入れなかった事で、軽い食感や濃厚なクリームとの相性、苺やベリーなどの果物との総合的なバランスがとても良く、フランチェスコ先生もうなる美味しいタルトを作る事が出来ました。
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