第6回目の料理実習は、「北イタリア料理2」です。
メニュー:
- バッカラのマンテカート ヴィチェンツァ風とパプリカサラダ
- ボローニャ風タリアテッレ
- ミラノ風仔牛のカツレツ アンチョビソースがけ
- ティンバル型 焼きポテト
- ヘーゼルナッツのセミフレッド カラメル和えのポップライス添え
本日はドルチェがセミフレッドという、アイスとケーキの中間のような冷たいものなので、冷やす時間を考え、一番始めにとりかかります。セミフレッドを作るマシンがあるレストランもありますが、無い場合はもちろん手作業で作らなければなりません。甘さは土地によって様々です。北イタリアはヘーゼルナッツを使ったドルチェが有名で、何に入れるかによって、色々なバリエーションがあります。セミフレッドの上にカラメルで和えて冷やしたポップライスを乗せ、柔らかさにパリッとした食感が楽しい一品です。今回のドルチェには、コーヒーがよくあいます。
次にアンティパストですが、バッカラとは塩鱈のことです。これは北から南、トスカーナ、リヴォルノなどイタリア全土で、ローマ時代から食べられている食材です。長く保存ができるので、塩漬けしている魚は古くから食べられる傾向にあります。バッカラは直接塩に漬け込む方法ですが、ノルウェーなどからくる魚の多くは海の近くで吊るされ、潮風で乾かされます。マンテカートとは、バターやオイルなどを混ぜ合わせ、風味をよくする仕上げのことです。バッカラをフードプロセッサーでクリーミーになるまで混ぜ合わせますが、昔機械がなかった時はどのように手作業でしていたのかなど、先生が説明してくださいます。
プリモはタリアテッレです。伸ばした生地を一本一本うどんのように包丁で切っていくので、大人数のパスタを作る時など、大変な工程の一つですが、みなさん非常に機敏に作業を進めていました。くっつかないようセモリナ粉の量を調整したり、パスタマシンの使い方ひとつでも、コツがいります。ボローニャ風ソースはとにかくじっくり煮込むことが大切なので、ひき肉をパラパラになるまで炒めたら、あとはひたすら煮込んで行きます。ボローニャ風ソースは様々な小麦粉料理によく合います。
ミラノ風カツレツは、よく日本のとんかつと似ていると言われますが、食べてみるとまったくの別物だと感じるでしょう。肉を叩いて薄く伸ばすのは、男の人でも力のいる作業です。そして油に入れるのではなく、たくさんの油で揚げ焼にします。煙が立たないよう注意しながら、ときどき火から外してフライパンを回し、たくさんの泡でカツレツを常に包むように焼き上げます。ソースは、アッチュガータと呼ばれる、アンチョビとケッパーをみじん切りにして和えたソースです。卵とパン粉にくぐらせる回数も大切で、往復させて衣を厚くさせてはいけません。
付け合わせはティンバル型の焼きポテトですが、今回はカツレツとの付け合わせなので、レモンピールのすりおろしを入れていました。入れすぎると苦くなってしまうので、バランスが大事です。
やはり寒い所で食べられる北部の料理は、バターをたくさん使ったり、少し重めの味付けのものが多く見られます。土地特有の環境や気候だからこそ考えられた料理の数々を見ていると、郷土愛の強いイタリア人の心を感じるようです
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